河野がいろんな人と対談、鼎談していきます [河野武 責任編集ブログ]

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早すぎたCGMサービス「オルトアール」の話(その8)

8回にわたってお送りしてる今回の対談もついに最終回です。

最後の質問は、当時のユーザーのみなさんへ船田さんからのメッセージをお願いしました。じっくり味わって読んでいただければ幸いです。

「オルトアール」の元ユーザーのみなさんへ

河野:
そろそろ時間が来たので、締めに行きたいんですけど、この対談コンテンツを公開すると、当時の「オルトアール」ユーザーの方たちがきっと、読みに来てくれると思うんですね。だから彼らになんか、メッセージをお願いできますか?
船田:
おぉー。
河野:
ちょっと、イイ話を(笑)

船田:
ウッソー、ひねくれてるからなあ、オレ(笑)
んー、……難しいですね。「思い出」っていうキーワードに対しては、ポジティブな感情とネガティブな感情があると思うんですよね。「思い出」っていう言葉を聞いて、何かを感じてる自分を、遠くから引いて見た時には、どうですか?
河野:
ぼくは、どっちかっていうと、ネガティブな感情が勝ちますね。なんていうか、「それはそれとして今、どうよ?」とか「明日、どうよ?」っていう話をしたい人間なんで、あんまりなんか……(苦笑)
船田:
僕もどっちかっていうとそっち系なんですけども、そうは言いつつ、ネガティブな部分を除いたポジティブな部分だけ、思い出として残しておいたりしてもらえるといいかなと。思い出も、ないと寂しいじゃないですか。
河野:
そうですね。
船田:
インターネットは慌ただしく、ゴチャゴチャゴチャゴチャしてて、あんまり良くないこととか、楽しくないこととかも、日夜、頻繁に起こっているわけですよね。
河野:
はい。
船田:
そんな中で、思い出のポジティブな部分だけ、美化して、残していただけると、2007年、やめた甲斐があるなと(笑)
河野:
(笑)
船田:
という感じですかね(笑)
人によっては、いい思い出を残すってことを、自分から積極的に考えてやってく人もいるじゃないですか。
河野:
そうですね、はい。
船田:
そういうのって、生き方として賢いと思うんですよね。いい思い出を作るのは簡単ではないから、大事にするに越したことはないと思います。

河野:
ありがとうございます。
じつは今回お会いするにあたって、「オルトアール」のユーザーが書いてるブログなどをネットで検索してたんですよ。で、いちばん書き込まれているのが2007年7月の、あの(事件の)タイミングだったんですけど、それ以外にもいろいろ書いてあるんですよね。ある人はポッドキャストでしゃべったりとかしてて。

それぞれのユーザーさんの中で、まさに「オルトアール」で過ごした日々が思い出として残ってて。それは、なんていうのかな、ぼくがそれを読んで感じたのは、そう、これはひとつの、評価軸なんだろうなと。
当時の「オルトアール」は楽しかった、それと比べて、今のTwitterってどうだろう、だとか。

船田:
Twitterはヒドいとかね(笑)
河野:
ははは(笑)
あるいは「mixi」ってどうだろう、「モバゲー」ってどうだろうみたいに。それこそあの7年に、ある人は1年しか使ってない、ある人は5年使ったのかもしれないんだけども、あそこで過ごした時間とそこでの体験が、みんなの中でネットのコミュニケーションの楽しさとか、もっと言うと可能性みたいなものを、それぞれが感じてくれてたみたいに見受けられるんですよね。
船田:
はい。
河野:
当時と比べたら、ネットユーザーなんて、数だけなら倍じゃ効かないくらいいるわけで、当時はメールアドレスをようやく、いろんな人が持ち始めたぐらいで、自分のホームページ持ってる人も少なかったし、ましてや週末しか使わない人が大半で、平日の夜メールしたらその日のうちに返ってくることが珍しい時代だったわけですよね。

だから、あそこ(オルトアール)にいた人って、たぶんリテラシーも高かったし、今でもそういう人だと思うんですけど、彼らが今のオンラインコミュニティとか、ネットメディアと接する時に、心の中とか頭の中で比較して、目の前のサービスのいいところを見ようとしたりしてるのかなあと。

船田:
そうですね。絶対的に良かったとか、悪かったとかじゃなくて、まあ、ひとつの軸として、自分の中に1本、残しとくっていうふうになれればいいですね。
今の河野さんの捉え方はいいですよね。僕的には、その言い方が一番、いいなあと思います。

絶対的な価値は、当然、いろいろとあると思うんだけれども、基準みたいなものを共有できるかどうかって、大事なことですよね。
で、あれはああだったよねって、じゃあそっから先の話をしようって、基準があるからこそできるわけだから。

河野:
そうですね。彼らは今、何やってるかひとりひとりわかんないですけど、でもいいモノを持って、今もネットで遊んでくれてるのかなって、感じはします。
船田:
そういうふうに言っていただけると、自分の中でいちばんバランスの取れた説明のような気がしますね。
河野:
良かったです。じゃあ、今日はどうも、ありがとうございました。
船田:
ありがとうございました。思った以上に。
河野:
おもしろかったですね(笑)

(取材日:2009/7/9、取材場所:デジカル株式会社、会議室)

以上で対談は終了です。

一時間強のトークでしたが、文字にして25,000字近くあるほど濃密でした。船田さんから見て、いまのネットサービス、とりわけCGMと呼ばれる領域のサービスのことをどう思ってるのかが聞けたので満足です。

もし当時「オルトアール」で遊んでた方がいらっしゃれば、ぜひコメントしてください。船田さんのブログにお邪魔するのもいいかも。

最後に同行してくれた藤田さんとぼくの感想を。

取材を終えて(藤田)

今回のインタビューは、かつての「オルトアール」ユーザーだった方ももちろんですが、僕としては、2000年のネットバブル以降に、この業界に入ってきた人たちに、特に読んでもらいたいと思います。

インターネットは新しい業界・仕事のイメージがあり(そういえば最近「ネット」とは言いますが、「インターネット」とはあまり言わなくなりましたね)、参考になる先人の知恵的なものが少ないと昔は思ってたのです。でも気付けば、Windows95が発売(1995年11月発売)されてから、早14年。

いろいろと条件や環境、技術は、日々変わっていきますが、変わらないものもあったんだなと思うと同時に、それらは参考になりうるものだったということに気付かされます。

逆に言えば、変わらないもの(コミュニケーション、ビジネス)が、これから先の変わるもの(条件や環境、技術)によって、今後どういうことが起こりうるか、どんな新しい可能性があるのかを考えられるということでもあります。

僕は「オルトアール」のことを、2年くらい前まで知らなかったのですが、パソコン通信(FirstClass)は、やっていましたので、共感できるお話が多かったです。
そして、船田さんは当時、そのパソコン通信をやっていた人たちと同じ匂いを感じる人でした。

このインタビューが、こういう人がもっと出てくるきっかけになれば、と思います。

取材を終えて(河野)

約7年ぶりの再会ということで、お互い年をとったわけですが、自分がようやく当時の船田さんの年齢になったことで、いろいろと思うことがあります。

当時のぼくは自分でも「まんがseek」というコミュニティサイトを運営していたし、そもそもニフティに入社したのもネットコミュニティを作っていくことに関心があったわけですが、実際にそこについては自信も(それなりの能力も)あったんだけど、それをビジネスとして捉えてはいなかったし、はっきり言えば「甘チャン」だったと思うわけです。

「人が集まれば、あとはなんとかなるでしょ」という浅はかで愚かな人たちを、今のぼくは批判しているわけですが、当時のぼくは似たようなものでした。ましてや当時は今よりも広告モデルが成立しにくかったので、ぼくが「手伝いたい」と会いに行ったのは、「楽しそうだから仲間に入れて」と大差ない話です。思い出すとちょっと恥ずかしいくらい。

で、まあそうは言ってもぼくもあれから経験を積んで、楽しいこと(趣味や道楽)とビジネス(金儲け)を分けて考えられるようになったし、それらをどの一点で結びつけられるかを考えるのが実際に自分の仕事になってたりするわけですが、こうしてオリンピック2回分の年を経て再会するというのは、人生はほんと何が起こるかわからないものだなあとつくづく思います。

この対談で話してるのを自分で読み返してみて、ぼくがブログに可能性を見いだしたのは、まさに「ひとりごと」の延長に会話が生まれるという部分だということがよくわかった。これは、ネットを使えば時間や空間を飛び越えて、いろんな人と会話できるという、ネットの本質を追求したいという考えなんだけど、同時に、船田さんが「オルトアール」を作っていくアプローチと決定的に違いがあることも感じた。

会話には相手が必要で、その相手となる誰かを連れてくるってのはとっても大変なことで、だからぼくなんかは後回しに考えちゃうんだけど(その結果、まずは「ひとりごとから始めよう」となる)、船田さんのアプローチは違ってて、だったら誰でも始められる「雑談」を扱おうとしたのがすごいなと。
もちろん仕組みとしては最初に数人の友人がいる前提のサービスになってしまうんだけど、今のぼくはこっちのほうが健全で王道な気がする。
(だからこの観点で言うと、Twitterはブログの後継になるわけ)

まあまだまだいろいろと書きたいことはあるんだけど、あのとき「オルトアール」で遊んだ数年間はぼくにとっては本当に財産で、自分の中では「超えなきゃいけないハードル」として今でも常に意識しているサービスです。

あと、同人誌でも船田さんのインタビューが読めます。ぼくはこれを読んでたのもあって、できるだけ重複した質問を避けるようにしたので、ご興味のある方はこちらから購入できます。

それではまた。

8月 11, 2009   4 Comments

早すぎたCGMサービス「オルトアール」の話(その7)

「オルトアール」が終了して2年、船田さんは今何をしてるのか、これから何を企んでいるのかを聞きました。今度こそ、ぼくもいっちょ噛んでお手伝いをしたいなと、リベンジを目論みつつ。

当時のユーザーのみなさんにはおなじみの「100億円プロジェクト」についても少しつっこんでみましたよ。

で、最近どうなんですか

河野:
今日の対談で、ぼくの中でテーマはふたつあったんですよ。
ひとつは雑談とか、あとはオンラインコミュニティとか、そういうメディアですよね。今でこそ「CGM」とか「Web2.0」って言われて、いろんな会社、いろんなサイトができてるんですけど、とっくの昔からそういうものはあって、実際にそういうものを作ってらっしゃった船田さんに、今のネット事情ってどうなのかを伺いたかったっていうのがひとつ。
もうひとつは、船田さん自身がこれから何か企んでらっしゃるのかなとあって、それをもし聞けたなら、ぼくはたぶんあの当時よりも、少しは大人になったので(笑)なんかそこに絡めるんじゃないのかなってのもあったんですね。
船田:
なるほど。
河野:
ブログはひととおり読んできてるですけど、あんまり仕事の話とかって、書かれてないですよね。自転車と電子工作の話はいっぱい書いてあるんですけど(笑)
今はどういうことをされてるんですか?
船田:
えーっと、「オルトアール」をやめて、その年の年末ぐらいに「もう僕は会社に行きません。ギャラもいりません。僕はいないと思ってください」って言って、ほんとにまあ、中野坂上の事務所に行くのをやめちゃったんですよ。
で、家にずっと引き籠って、これからどうしようかなって思って。しばらくブラブラしていたら、またいろいろとやりたくなるだろうと思ったんですよ。とりあえず自転車には乗ってたんですけどね。
河野:
はい。
船田:
たぶん僕は自転車がいちばん好きだから、自転車屋さんになりたいなと思ってたんですけど(笑)、やっぱり自転車屋さんは難しいなと冷静に考えたらわかって、さらにその原点に遡ろうとして、秋葉原に立ってたわけですね。
それまでもずっと秋葉原に行ってたんですけれども、そのときは部品屋さんの前で。
で、部品を買って帰って、ハンダ付けしてたら、いちばん原点度の高い原点はここだって感じがしたので、そのまま原点に帰れるだけかえって、お金がなくなるまでやってみようって思ったのが、日記に電子工作が出始まったころですね。
河野:
なるほど。
船田:
で、今日に続く、ですね(笑)
河野:
あはは(笑)

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8月 10, 2009   No Comments

早すぎたCGMサービス「オルトアール」の話(その6)

今回はTwitterなど、ここ数年に登場した海外のネットサービスについての感想を伺っています。

ケータイやゲーム機などの端末や、WiMAXなどのネット環境の発展が、コミュニケーションそのものを変えていくという話は、読み返しててもじつにおもしろかったです。

船田さんから見た「Twitter」について

河野:
それじゃ、「オルトアール」が終わってから、もうすぐ2年になるんですけど、その間に出てきたサービスについてお聞きします。それこそ、日本だけでなくてUSも含めると、いろんなものが出てきてますよね、ここ数年って。
その中で、何かこれやられたな、これおもしろいなみたいなネットのサービスって、ありますか?
船田:
ここ1年ぐらい、Twitterがまた流行ってるじゃないですか?
河野:
はい。
船田:
あれはある意味ゆり戻しじゃないですか。1行ブログというか、非同期チャットみたいなことですよね。
河野:
そうですね。
船田:
だから、やっぱり、繰り返してるなと。ネットのサービスはぐるぐる繰り返してるなという感覚は、やっぱり正しいのかなと。
そうすると、再来年あたりに「オルトアール」をまたやると、ちょうどいいのかもしれない(笑)
河野:
ははは(笑)
船田:
そんなわけで、繰り返し感があるっていうのは、やっぱりひとつ感じてますね。あとはなんだろ、うーん、これというのはないかな。いわゆるその、なんとか.comで、これだっていうものは、ないですね。ここ数年。

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8月 7, 2009   No Comments

早すぎたCGMサービス「オルトアール」の話(その5)

ということで、今回は避けては通れない(まあ通ってもいいんだけど)サービス終了時の話を聞いています。アホな質問だなと思いつつも、あの事件がなかったらどうだったのかを直接聞いてみました。

このあたりは当時の船田さんの日記もあわせて読まれるとよいかと。

あの事件の話を

河野:
2007年に、えっとギリシャ人 でしたっけ。
船田:
ええ、ギリシャ人。
河野:
あの一連の事件で「オルトアール」が終わっちゃったんですけども、まあしょうがなかったとはいえ、いきなりだったじゃないですか?
船田:
ええ。
河野:
で、あれがもしなければ。まあ「たられば」の話をしてもしょうがないんですけど、あれがなければ、今でも「オルトアール」はずっと続いてたんですかね?
船田:
そうですねえ、それは自分でも考えるんですけども、ギリシャ人はほんとに、ほんとにキッカケに過ぎないんですよね。
いつ、どこで、どうやめようかなーってのは、ずーっと考えてて。
あのギリシャ人にやられちゃったドメインジャックの件も、次の週にはもう復活してるんですよね。
河野:
そうなんですか?
船田:
管理会社のNSIとやりとりして、アカウントを完全に僕が取りもどすとこまではいかないんですけども、ギリシャ人からは取り上げて、ひとまずNSI預かりの状態には、1週間後にはなってるんですよね。
河野:
なんか、どこどこに英語の書類を出したりとか聞かれて。
船田:
ええ、ええ、そうですね。めんどくさいんで、ちゃんとやらなかっただけで。
河野:
はい。
船田:
最初にこれはマズいと思ったのは事実です。ただ、ちゃんと考えないとマズいぞという状況は、1週間か2週間後くらいには解決してたので、そこで、(サービス終了を撤回することも含めて)考え直すことはできたんですけども。
もう一回ちゃんとやる方向で考え直したとしても、今を逃したら、この先やめらんなくなっちゃうなって思ったのは、ありますね。

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8月 6, 2009   No Comments

早すぎたCGMサービス「オルトアール」の話(その4)

今回は2004年頃から日本でも一気にブレイクしたブログについて、船田さんの意見を伺っています。
ぼくは自分でもブログを6年近く書いてるし、ブログの会社にいたくらいなので当然のように超肯定派なんですけど、船田さんの目にはどう映ってるのか、とても興味がありました。

ではどうぞ。

船田さんから見たブログについて

河野:
ぼくはシックス・アパートで働いてたくらいなんで、ブログをわりと肯定的に捉えていて、それこそこれがもっともっと、さっきの話で言うと、パソコン通信の終焉から次のステップに行く時に、ブログはいいんじゃないかと思ったんですね。
船田:
うん、うん。
河野:
要は、何書いてもいい場所が自分用にあって、ここに書いてると、もしかすると誰かと繋がれるかもしれない、みたいなのがいいなあと。
ぼくとしては、オンライン上に個人の声だったり、それはいわゆるテキストデータに限った話じゃないんですけど、そういった個人発(発信)のデータがたくさんアップされてることは、もう絶対的に善だろうと思っていて。
それを支援するツールとしてブログはいいなあと。自分でもわりと早いタイミングで使ったし、結果的にそっちの会社に入ちゃったりもしたんですけど。

ちょうどMovable Typeの日本語化ってのが2003年くらいから始まってて、その末から2004年にはココログを始め、ライブドアブログだとか、Yahoo!ブログだとか、ああいう無料ブログサービスっていわれるものが出てきたわけですが。
船田さんは、ブログってものをどんなふうにご覧になられていたんですか?

船田:
まず、ネット上で日記を書く行為ってのは、その前からあったと思うんですけども、堀越英美さんから「あれをアメリカではブログと呼ぶらしい」って聞いたんですよね。
河野:
はい。
船田:
カタカナ3文字の名前がつくっていうことは、まあメディアとして認知されたってことですよね。その行為にわかりやすい名前がポンとついたと。
河野:
そうですね。
船田:
ブログが出てきたときに、こういう形になってくんだなっていうのは、思いましたね。特に(Googleが買収した)「Blogger」を見た時に思ったのかな、いや違うかもしれない。ちょっとそのへんは曖昧なんですけど、ブログっていう概念を聞いて、それから少し観察していて、最終的に決め手になったのはRSSですかね。
河野:
ああ、日記に書いてありましたね。
船田:
ブログだけだったならば、やっぱり無秩序で、場合によってはタコ壺がたくさん並んでるだけのごちゃごちゃしたところになっちゃうかなというのもあったんですけど、RSSというフォーマットで、それがゆるーく、ざっと、網に掛けられる状態になったことで、ブログっていうモノ全体をひとつのメディアとして、考える余地が出てきたと思ったんですよね。
河野:
はい。
船田:
だから、ブログっていう言葉を聞いた時は、短いラベルがついたことで、認知が上がって、わかりやすくなったなという程度だったんですけど、RSSを知った時に「ああ、こうなっていくんだな」って感じましたね。

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8月 5, 2009   2 Comments

早すぎたCGMサービス「オルトアール」の話(その3)

「ネットビジネスのマネタイズには3つしかない」と最初に言ったのはどこの誰だか知りませんが、僭越ながらぼくも同じ結論に数年前に至って、それ以来はあちらこちらで話をしています。

今回はそういうマネタイズにまつわるお話です。

インターネットビジネスにおけるマネタイズ方法

河野:
実際、インターネット上でビジネスを考える時に、さっき出てた課金モデルの話、あるいは広告モデル、あとはまあ、「ほぼ日」みたいな作る、売るみたいな物販モデル

ぼくは大きく分けて、この3つのモデルの派生しかないだろうと思っていて、当時と比べるとここ数年は、インターネットのユーザーが増えたんで、広告モデルが成功しそうな可能性がちょっと上がったと思うんですね。
とはいえやっぱり、mixiみたいにどんどんどんどん広告の価格をダンピングされると、どこも儲かんなくなってるというのも現実としてあって。

それで最近では課金をどうするかっていう話が、また盛り上がってて、むしろネットでサービスなりメディアなりを成り立たせるには課金しかないんじゃないのみたいな意見も出てたりするんですね。

そういう意見もわかるし、とはいえ課金が成立するのは、いま船田さんが難しいっておっしゃったようになかなか簡単ではないと思うんですよね。

船田:
うん、うん。
河野:
以前、船田さんはTwitterについて、儲かんなくていいぐらいの話だから成立してるみたいな話もされてたんですけど、いま実際にああいうサイトを作りたい、ああいうコミュニティを作りたいっていう人たちに対して、どこにマネタイズのプランなり戦略なりを考えていけば、実現可能性がありそうだと、アドバイスしてあげられますか?
船田:
僕のアドバイスだと、裏付けがないんで、あんまり説得力がないんですけど(苦笑)
河野:
ははは(笑)
船田:
まあ、可能な限り客観的に考えると、iモードのようなケータイサイトならば、どういった部分に対して対価を払っているのかよくわからないんだけど、そのサービスを使うことによって、お金が引かれていっているっていう、いい意味で曖昧な課金の概念を導入できるんですよね。コミュニティサイト側から見た場合。
サービスのインフラを提供することによって、私たちは月100円なり、200円なりをいただくんですよって感じで言えると思うんですよ。

なので、インフラの提供と割り切ってしまって、そこでやりとりされるメッセージのおもしろさだったり、コミュニティの質みたいなものはいったん置いておいて、インフラです、インフラがんばってます、私たち努力してますから、だから200円くださいと。
そのぐらいのところから、積み上げていく感じでしょうね。

河野:
なるほど。

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8月 4, 2009   2 Comments

早すぎたCGMサービス「オルトアール」の話(その2)

船田さんと初めて会ったのは、いまからもう7~8年も前のことになります。その当時のぼくは半分、というかほとんど引きこもりで月に数回しか電車に乗らないくらいの怠惰な生活を送っていました。

そんなぼくが自分で手を挙げて手伝いたいと思ったのが「オルトアール」だったんですけど、当時はまだ27歳くらいで(とくに若いってわけでもないけど経験が浅すぎて)ビジネスについてはぜんぜんわかってませんでした。まあそんなんで手伝わせてくれと言えちゃうくらい、無知ってのは強いなあと思うわけですが。

てことでまずは当時の話から。

初めて会った頃の話

河野:
いまぼくは、ちょうど当時の船田さんの年齢になったんですけれど。
船田:
はい、はい。
河野:
あの時、2002年か2003年ぐらいに、いきなりお手伝いしたいというメール差し上げて、中野坂上(当時のオフィスは中野坂上にあった)まで会いに行って、ぜんぜん使いものにならなかったんですけど(笑)
船田:
いや、そういうワケじゃないんですけれどもね。やっぱりビジネスとして、人をいっぱい雇って、ちゃんと会社として回して行くってのは難しいなと。
「じゃあ、君が入ってきたら、ちゃんと面倒見てあげるよ。」って言える状況では、たぶんないだろうって、我々の側でも完全に感じてたので。
カタギの人はちょっと距離を置いておいた方が安全なんじゃないかと思ってた時期ですよね。
河野:
あはは(笑)
ぼくの中で、自分からコンタクトを取って、会いに行ったのは初めてのことだったんですよね。今でこそ、いろんな人にこうやって、お話伺ったりするんですけど、当時は、どっちかっていうと引き籠ってたんで。
船田:
言ってましたね。
河野:
その前だと、「ポストペット」を作られた八谷さん(八谷和彦)にメールしたくらいかな。彼は「メガ日記 」っていうサイトやっていて……。
船田:
やってましたね。
河野:
あれを知ったときにはもう終了してたので、ぼくがもう1回やりたいから「メガ日記」という名前を使ってもいいですか、みたいな連絡を取ったぐらいで、ほんとに数少ない自分から動いた経験なんで、船田さんとのことはとてもよく憶えているんですよね。

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8月 3, 2009   No Comments

早すぎたCGMサービス「オルトアール」の話(その1)

今回は、2007年に終了したオンラインコミュニティ「オルトアール」の運営者である船田巧さんと会ってきました。
「CGM」という言葉ができる前から、インターネット上でユーザーが自ら創発するコンテンツをプロデュースしていた船田さんに、最近のネットサービスについての感想、さらには現在企んでいることなどを質問しました。
(取材日:2009/7/9、取材場所:デジカル株式会社、会議室)

「オルトアール」について

正式名称は「オルトアール総合雑談中心」。2000年に、船田さん(船田戦闘機)が立ち上げた雑談コミュニティサイト。スタパ斎藤、餅月あんこ、伊藤ガビンなどそうそうたるメンツがメーリングリストを中心に公開の場で雑談するという画期的なメディアで、当時は月間600万ページビューを超える人気サイトだったが、2007年に惜しまれつつ終了。

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船田巧さんについて

1966年東京生まれ。メディア技術者。埼玉大学中退。(株)アスキー・ログイン編集部で社会人スタート。1990年頃独立。好きな食べ物はおそばとカツ丼とカレー。ペンネームは船田戦闘機。
(以上、公式プロフィールより)

今回のインタビューも文字数にして2万字を超えていて、8回に分けて公開します。今日が第1回目で、以降は来週の月曜日から平日に公開していく予定です。

ぼくと船田さんが会うのはじつは2度目で、今回が6年ぶりくらいの再会だったのですが、初めて会った当時の話も出てきています。
最後には当時の「オルトアール」ユーザーのみなさんへのコメントもいただいていますのでお楽しみに。感想もお待ちしています!

オルトアールって、なに?

河野:
ご無沙汰してます。今日はよろしくお願いします。
まず最初に、「オルトアール」ってサービスのことを知らない方に、「オルトアール」ってこういうサイトでしたよって説明するとしたら、どう言えばいいですかね?
船田:
うーん、そうですねえ。当時、「2ちゃんねる」はもうあったんですよね。
河野:
はい、ありましたね。
船田:
今とあんまり変わんない感じで。
でも、(サービスが開始された2000年当時)ブログなんて言葉はなかったですし、写メールもまだ次の年くらいだったし。当然、Twittermixiも、なかったワケですよね。
河野:
そうですね。
船田:
「2ちゃんねる」のようなものを僕はフラットな掲示板というふうに捉えていたんですけど、それ自体はパソコン通信まで遡れば、ご存じのとおりニフティサーブだったり、さらに行くとその前から、綿々とあったワケですよね。

それとはちょっと違う、オンラインのコミュニケーションの場みたいなものを、作ってみようと思って作ったのが僕から見たオルトアールですね。

で、出来上がったものが具体的に何かって言うと、メーリングリストだったり、ブログ的なものだったり、あるいはチャット的なものがひとつにまとまっていて、かつユーザーが自分で自分の場を持てるもの、と同時に、そこを使って何をしたら楽しいかっていうことを有志の人たちが、プロもアマも合わせて、実験する場だった、という感じでどうでしょうね?(笑)

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7月 31, 2009   No Comments

カイタッチ・プロジェクトの舞台裏(その6)

ついに最後です。ここではカイタッチ・プロジェクトを通じて感じたコミュニケーションの難しさと、貝印として今後やっていきたいことについて伺っています。ぼくも自分のコミュニケーション論をけっこう熱く喋っちゃいました。

衆人環視下でのコミュニケーション

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河野:
あ、そうだ。コメントをつける練習とかは、されたんですか?
郷司:
特にはしてないです。最初は、ドキドキするんですけど、みんなそれぞれ書かせて、自分なりの文体もありますんで、それで僕が全員が書いたのを一回見てですね、まぁ、そんな変なの、ないじゃないですか。
河野:
まあ、ないですよね。
郷司:
じゃあ、あとはみんな好きにしようよ、ということで。
ただその、何かを悪く言ったりだとか、あとはフレンドリーになるのはいいけど、当然、相手はお客さまなんで、一定の節度を持って接するとか、そのくらいですね。それ以上やるとなんか堅くなっちゃうんで。

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3月 20, 2009   8 Comments

カイタッチ・プロジェクトの舞台裏(その5)

カイタッチしにくい記事の場合はどうするのか、カイタッチした後(コメントを残した後)はチェックしているのか、具体的な部分にまで踏み込んで伺っています。

カイタッチの目標値について

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藤田:
先ほど、目標値のところでですね、それぞれの担当ごとに何件という話がありましたけど、具体的には何件なんですか?
郷司:
えっとですね、たしか半年で60件とかじゃなかった?
遠藤:
はい、そうですね。ただ、その目標を立てた時って、まだ始まったばっかりで、けっきょく、どれぐらい最終的になるかってわからないので、あてずっぽうでだいたいこれぐらいかしらっていう、希望的観測で入れてるっていう部分があるんで。

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3月 19, 2009   No Comments