河野がいろんな人と対談、鼎談していきます [河野武 責任編集ブログ]
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早すぎたCGMサービス「オルトアール」の話(その6)


今回はTwitterなど、ここ数年に登場した海外のネットサービスについての感想を伺っています。

ケータイやゲーム機などの端末や、WiMAXなどのネット環境の発展が、コミュニケーションそのものを変えていくという話は、読み返しててもじつにおもしろかったです。

船田さんから見た「Twitter」について

河野:
それじゃ、「オルトアール」が終わってから、もうすぐ2年になるんですけど、その間に出てきたサービスについてお聞きします。それこそ、日本だけでなくてUSも含めると、いろんなものが出てきてますよね、ここ数年って。
その中で、何かこれやられたな、これおもしろいなみたいなネットのサービスって、ありますか?
船田:
ここ1年ぐらい、Twitterがまた流行ってるじゃないですか?
河野:
はい。
船田:
あれはある意味ゆり戻しじゃないですか。1行ブログというか、非同期チャットみたいなことですよね。
河野:
そうですね。
船田:
だから、やっぱり、繰り返してるなと。ネットのサービスはぐるぐる繰り返してるなという感覚は、やっぱり正しいのかなと。
そうすると、再来年あたりに「オルトアール」をまたやると、ちょうどいいのかもしれない(笑)
河野:
ははは(笑)
船田:
そんなわけで、繰り返し感があるっていうのは、やっぱりひとつ感じてますね。あとはなんだろ、うーん、これというのはないかな。いわゆるその、なんとか.comで、これだっていうものは、ないですね。ここ数年。

河野:
船田さんはTwitterのアカウントを消しちゃいましたよね?
船田:
1回取って、消して、でもなんだか、また最近……。
河野:
やってるんですか?
船田:
1日1回ぐらいしか書かないんですけども、一応やってます。
河野:
あ、ほんとですか。
船田:
なんにもやらないのはあれかなと思って、いちばん気持ち悪くないのはどれかなと思って。Twitterが、いちばんイヤじゃないって気がするって。
河野:
そうなんですね。
Twitterは、わりとなんか、2000年当時のネットの空気に近いなと感じますよね。
船田:
ええ。
河野:
まあなんか、一部のうるさい人たちはいて、やたら説教してくれる人もいるんですけど(苦笑)
でも大多数の人たちは、ほんとのほほんとしていて、ゆるーく繋がってるっていう。
船田:
あと、その距離感を自分で決められるじゃないですか。フォローしないっていう選択もありますよね。僕、あんまりフォローしないんですよ、大変なんで。
あの、繋がりを自分で100%コントロールできるっていうのも、非常に大事な気がしますね。
河野:
同感です。

これからのコミュニティ、これからのコミュニケーション

船田:
あと、そうですね、今日の時点で明確にはなってないけれども、iPhoneとか、Androidとか、ああいった片手で使えて、かなりの帯域でネットに繋がってる状態っていうものが、ひと皮また剥けてきた感じはありますよね。
河野:
はい。
船田:
「オルトアール」を思い返しても、J-PHONEで写真をメールで送れるようになった時に、ものすごい新しいことが起きた気持ちがしたので、あのへんで、なんかないかなっていう感覚、何か起きつつあるのかなっていうのは、あるといえばありますかね。
河野:
それこそ、WiMAXとかが普及していけば、もっとなんかおもしろくなりそうですよね。
船田:
ええ、そうですね。で、今度はPSPも、ネット端末なわけですよね。そうすると、またちょっと違ってくると思うんですよね。
さっきiモード的に毎月200円もらえるならば、コミュニティのサービスも違うあり方があるんじゃないかっていうことを言ったワケですけども、モバイル端末の普及によって、さらに可能性が出てきますよね。

当然、ソニー・コンピュータ・エンタテインメントの人も今、考えてると思うんですよ。新しいPSPがコミュニティ全体の窓口になるっていうことを。そうなった時に、ちょっと新しいことが起こるのかなって、今後1、2年くらいを想像すると思います。

河野:
特にああいう、ゲーム機は海外でも同じものを使うじゃないですか。
船田:
うん、そうですね。
河野:
ぼくもよくゲームをするんですよ。で、「マリオカート」とかやってても、ああいう言語がいらないコミュニケーションってすでに成立してるんですけど、今後さらにおもしろくなるんじゃないかなと思ってますね。
船田:
そうですね。
河野:
あとぼくは「ウイイレ(ウイニングイレブン)」というサッカーゲームが好きなんですけど、あれもチャットではないんですけど、ボタンを押すことで「ざまーみろ!」とか「やったぜ!」とかメッセージを送れるんですよね。
船田:
なるほど。
河野:
ぼくの画面では日本語で表示されてるんだけど、メッセージを送ったら、きっとむこうのやつらは英語でそれが表示されているんですよ。
マイクつけてしゃべるタイプのネットワークゲームもありますけど、ああいう限られたボタンの数だけで十分、やり取りはできたりしてるんですね。あれは、なかなかおもしろい、コミュニケーションのカタチですね。
船田:
そうですね。

船田さんから見た「YouTube」と「Flickr」について

船田:
それで、僕がいちばん、好きなサイトはYouTubeなんですよ。YouTubeだけあればいいぐらいで、YouTubeの中に住みたいぐらいなんですよ(笑)
河野:
(笑)
船田:
YouTubeって、それこそいろんな言語の動画があるんだけれども、言葉が分からなくても、おもしろければ観ますよね。
河野:
はい。
船田:
Flickrもそういうとこ、あるかな。
だから、FlickrとかYouTube的なものに、携帯電話とかも含めて、もっといろんな端末から入れて、言語の壁とかユーザーインターフェースの壁みたいなものが下がってくると、今までは想像もできなかったことが、もしかしたらぼこっと起こっちゃうのかなって、思ったりはしてます。
河野:
ご自身で、そういうのをやろうとは思わないんですか?
船田:
日本ってFlickr(日本語版)がないじゃないですか。Flickr的なものも。
河野:
いくつかはあるんですけどね。ポータルが提供してるものとか、ベンチャーがやってるのとか。
船田:
つまり、えーと、独立した写真共有サイトで、みんなが知っているようなものって、ないですよね。それは、なぜかなとずっと思ってるんですよね。オレがやらないせいか、とか。冗談ですけどね(笑)
河野:
ははは(笑)
船田:
なんでないんですかね?
河野:
なんでですかね?
うーん、サービスとしてはいくつかあるんだけども、まさにおっしゃったみたいに、越えてないってことですよね。その理由はきっとあると思うんですよね。

ぼくは、「オルトアール」がやってた「ML-5」にしろ「写団Z」にしろ、あの手のサービスに対して「こういう使い方すればいいんだよ」っていう、お手本みたいなのを用意して、みんながそれを見ながら自分の使い方を模索していったというのが必要だと思うんですよね。なんていうか、先行していった人とフォロワーとが、ひとつのサービス内にあって、その結果、フォロワーがどんどん増えていったっていう、そんな関係があるじゃないですか。

船田:
うん、うん。
河野:
写真共有サイトって、そういうプロデュースを誰もしてないんですよね。ぼくが知らないだけかもしれないけど。「Flickrみたいなことができます、ここにあなたの撮った写真をばんばんアップできます」っていう、機能提案だけしてて、こういう使い方をしたら楽しいよって話、まあ用途提案ですね、そういうのは、ぜんぜんしてなくて。

写真がアップロードできるんだったら、みんなでクリスマスツリーの写真を撮ってきましょうコンテストだとか、冷麺PRキャンペーンやりましょうだとか、そういう巻き込みをしていって、ユーザーに参加してもらうみたいなことをしないと、なかなか一定数を超えないんじゃないかと。
そのへんの、サイトのプロデュースとかメディアのプロデュースっていうのは、すごくヘタな気がするんですね。

けっきょく「何々ができますよ」ってだけだと、ボタンが多すぎる家電と一緒で、誰も使わないですよね。

(取材日:2009/7/9、取材場所:デジカル株式会社、会議室)

船田さんの、いちばんイヤじゃない気がするのがTwitterだったというのは、ぼくも同じなのでよくわかります。けっきょく多くのSNSのように閉じていけばいくほど、一見安全性は高まるように思えるのですが、同時にめんどくさい人間関係を受け入れなきゃいけないし、読まれたくない人(たとえば上司なんか)をきちんと断る強い意志も求められたりするので、仕組みとしては完璧でも、実際にそれを使いこなすのは相当大変です。

むしろTwitterのように(閉鎖的にはできなくもないけど)基本的にはオープンで、自分の書いたことはダダ漏れさせつつ、誰のダダ漏れを読みたいかを自由に選んでいくというほうが健全だし、ネット的だと思うのです。

次回は月曜日の更新です。最近の船田さんの興味関心について伺ってます。お楽しみに。

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