早すぎたCGMサービス「オルトアール」の話(その7)
「オルトアール」が終了して2年、船田さんは今何をしてるのか、これから何を企んでいるのかを聞きました。今度こそ、ぼくもいっちょ噛んでお手伝いをしたいなと、リベンジを目論みつつ。
当時のユーザーのみなさんにはおなじみの「100億円プロジェクト」についても少しつっこんでみましたよ。
で、最近どうなんですか
- 河野:
- 今日の対談で、ぼくの中でテーマはふたつあったんですよ。
ひとつは雑談とか、あとはオンラインコミュニティとか、そういうメディアですよね。今でこそ「CGM」とか「Web2.0」って言われて、いろんな会社、いろんなサイトができてるんですけど、とっくの昔からそういうものはあって、実際にそういうものを作ってらっしゃった船田さんに、今のネット事情ってどうなのかを伺いたかったっていうのがひとつ。
もうひとつは、船田さん自身がこれから何か企んでらっしゃるのかなとあって、それをもし聞けたなら、ぼくはたぶんあの当時よりも、少しは大人になったので(笑)なんかそこに絡めるんじゃないのかなってのもあったんですね。 - 船田:
- なるほど。
- 河野:
- ブログはひととおり読んできてるですけど、あんまり仕事の話とかって、書かれてないですよね。自転車と電子工作の話はいっぱい書いてあるんですけど(笑)
今はどういうことをされてるんですか? - 船田:
- えーっと、「オルトアール」をやめて、その年の年末ぐらいに「もう僕は会社に行きません。ギャラもいりません。僕はいないと思ってください」って言って、ほんとにまあ、中野坂上の事務所に行くのをやめちゃったんですよ。
で、家にずっと引き籠って、これからどうしようかなって思って。しばらくブラブラしていたら、またいろいろとやりたくなるだろうと思ったんですよ。とりあえず自転車には乗ってたんですけどね。 - 河野:
- はい。
- 船田:
- たぶん僕は自転車がいちばん好きだから、自転車屋さんになりたいなと思ってたんですけど(笑)、やっぱり自転車屋さんは難しいなと冷静に考えたらわかって、さらにその原点に遡ろうとして、秋葉原に立ってたわけですね。
それまでもずっと秋葉原に行ってたんですけれども、そのときは部品屋さんの前で。
で、部品を買って帰って、ハンダ付けしてたら、いちばん原点度の高い原点はここだって感じがしたので、そのまま原点に帰れるだけかえって、お金がなくなるまでやってみようって思ったのが、日記に電子工作が出始まったころですね。 - 河野:
- なるほど。
- 船田:
- で、今日に続く、ですね(笑)
- 河野:
- あはは(笑)
オープンソースハードウェアが、さらにひとつ加わった
- 船田:
- やっぱり、やってるといろいろわかってきて、わりといいなっていうモノに出会えて、今年、翻訳書(「Arduinoをはじめよう
」オライリージャパン刊)も出して。
- 河野:
- してましたね、3月に。
- 船田:
- 「オープンソースハードウェア」っていう言葉で括っちゃっていいと思うんですけれども。そういうことをやってる、トンがった人たち、活動みたいなものが、自分のやりたいことに近いと思えるようになったんです。
自分の中では、パッケージゲームもオンラインコミュニティも、この手のオープンソースハードウェアも繋がってるな、と確認できたってことですかね、今の段階は。
自分の中ではこれをどうマネタイズするかってのも、当然考えてて、これから先、どっかの段階でマネタイズに向けて、何か勝負しなきゃいけないだろうって思いますけれども、まだちょっと、そういうネタには育ってないかなっていう。
ただ、最近、電子工作業界ってそんな大きいわけではないので、いろんな人にいろんな意見を聞ける立場にはなってきてますね。 - 河野:
- なるほど。
100億円プロジェクト
- 船田:
- 電子工作の世界は、どかーんと、ひと山当てに行くっていう感じではないっていうのがわかったので、地道に、自分の良心に近いところでやろうかなっていう仕事ですね。それとは別に、もうちょっと当てに行くこともしなきゃいけないかなと思ってます(笑)
- 河野:
- はい、100億円プロジェクト(笑)
- 船田:
- ええ(笑)
100億円も狙ってかなきゃいけないので。まあいろいろ考えていかなきゃと思ってます。
- 河野:
- ぼくはてっきり、ブログの工作の話とか読んでて、それこそChumbyとか、HPのすごい電卓の話とかがあったんで、ハードウェアをやりたいのかなって思ってたんですけど。
- 船田:
- (名刺にある)「武蔵野電波」っていう会社は、スタパ斎藤と出資して作ってます。
で、なんでわざわざ会社にしたかっていうと、これまであっちやったりこっちやったりしてるけど、我々が唯一やっていないのは、ハードウェアを作って売ることだから、それやろうよと。 - 河野:
- なるほど。
- 船田:
- だから「武蔵野電波」の活動としては、ハードウェアを作って売るってのが、最終目標です。でもそれは非常に大変というか、いろいろ不自由なことが多いと。
それこそ特許だったりだとか、いろいろあると。なので、大っきくお金儲けを狙っていくというよりは、自分たちの楽しさとか、気分の良さみたいなものを、狙っていく方かと。
100億円の気配はまったくしないですね(笑) - 河野:
- (笑)
- 船田:
- だからまだ話せる段階ではないんですけど、それ以外で100億円が狙えそうなことを、ようやく少しずつ考えたり動いたりしてるところですね。
- 河野:
- ではその話がオープンになるのを楽しみにしてます。
(取材日:2009/7/9、取材場所:デジカル株式会社、会議室)
「100億円プロジェクト」はまだ公開できないとのことですが、着実に動いてるみたいで楽しみです。みんなで応援、じゃなくてぜひ乗っかって1億円くらいもらいたいものですね。
さて、次回はついに最終回。当時のユーザーのみなさんは必読です。
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