カイタッチ・プロジェクトの舞台裏(その4)
カイタッチしにくい記事の場合はどうするのか、カイタッチした後(コメントを残した後)はチェックしているのか、具体的な部分にまで踏み込んで伺っています。
イレギュラー対応について
- 藤田:
- 今日はお時間いただきまして、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
- 郷司:
- はい、よろしくお願いいたします。
- 藤田:
- いきなりすごい直球で質問するんですけども、お題の中には、貝印さんに関するすべてのことを受けとめる、締切なしのがありますよね。
- 遠藤:
- はい。
- 藤田:
- これの中に、100%悪意で書かれたエントリーはあると思うんですよ。そういうブログを見つけた場合の対応はどうされてるんでしょうか?
- 遠藤:
- まず、これまでに悪意のあるエントリーらしきものは、基本的にありませんでした。
もちろん中には弊社製品を使って、うまく切れなかったとか、そういういった内容のものはあります。そういったブログに対しても、「それは申し訳ございません」という謝りの形で、コメントを残したことがあります。最近の例ですと、製菓用品がイマイチ使えないというか、この辺が不良なんじゃないかっていうブログはありました。ちょっとあまり良くない内容ですね、弊社から見ると。
そのブログの記事を拝見して、このカイタッチ・プロジェクトをやっている以上、コメントに伺うわけですが、お詫びのコメントをさせていただいて、「よろしければこちらで調査しますので、ぜひお客様相談室に送ってください」というような内容をコメントしたことがあります。
こちらからそういう感じで訪問するとですね、お客さまもまさか来るとは思ってないというところもあるんで、「でも、使ってるものではあるし、愛用しているので、ちゃんと使った後に、じゃあ、送らせてもらいます」という感じで、そこから拡大するということはなかったですね。
その例はたまたまかもしれないですが、他にも「ちゃんとしてるんですね」という形のコメントをいただいて、お客さまに納得していただけたという例はありますね。もちろん、サポートしてくださるいい意見ばかりというわけではなくて、いまお話ししたように、中にはちゃんと切れないとか、そういうのもあるんですけれども、そういうご意見に対しても、こちらから出向いて、きちんとお詫びをして。
もしそれが本当に不良品であれば、きちんと対応します、という姿勢が見せることが、お客さまの信頼に繋がるんじゃないかと私たちは思っています。 - 藤田:
- なるほど。
もうひとつ伺いたいんですけど、今は遠藤さんがコメントを残されて、そのブログのオーナーさんが返事を書かれてても、もう一度コメント書くことってないですよね。それはなぜですか?
コメント後の課題
- 遠藤:
- ひとえに全部訪問しききれないからというところが、今の現状としてはすべてですね。
もちろん、コメントが返ってきているのも見てはいるのですが、その後、また私たちが返した後に、さらに返信があって、エンドレスにどんどんなっちゃうと思うんですね。
今も、200件以上超えているんですけど、その方々とずっと密なコミュニケーションを取っていくリソースがあるかっていうと、残念ながら現状はありませんので、あえて書いてないというところですね。
- 藤田:
- なるほど。
- 郷司:
- これは最初にカイタッチ・プロジェクトを始めた頃から、すぐに「どうしましょう」と相談があったんですけど、僕はそれはちょっとやめとこうと指示をしました。
お客さまのコメントがすごく気持ちいいので、入っていくと止まんなくなるんですよ、ずーっと。どこで切っていいかわかんなくなっちゃうんですよね、じゃあ、さようならっていうのも変ですし。
だったら最初は、より多くの人に手を拡げていった方がいいだろうと。
もちろんこの先、コメントをして、コメントがさらに返ってきた、ここに対してどうアクションするかっていうのは、次の課題として認識しています。これは一回、タッチポイントを増やしたお客さまと、どうさらに深めていくかっていう、ちょっと違うステージの話だと思っているので。
それはもうちょっとこっち側のリソースが増えた段階での、次のアクションですね。あるいはこのプロジェクトをやってて、実際に感じてる、(ユーザーに対する)ごめんなさいっていうポイントなんで、それはそれできちんとお客さまに伝えていくっていうことは必要だと思っています。 - 遠藤:
- 基本的に違うお題だとか、また新しいエントリーとして書いていただければ、私たちは名目上、コメントをしに伺えるので。
「こういうお題も用意しているので、他の商品をもし使われたら、ぜひまたエントリーしてくださいね、その時はまたお伺いします。」っていう形で、コメントを終えるようにするとか、そういう小さな工夫は一応しているんです。できればいろんなお題で、いろんなお客さまとコミュニケーション取っていきたいというのがあって。
お題001「あなたのブログにうかがいます」っていうのは、基本的に弊社のことや、このカイタッチ・プロジェクトのことを何も知らない方に対して、突然伺う理由としてのお題として用意しているんですね。
お題002「あなたのお宅にも貝印製品」っていうのは、新たに私たちがカイタッチをしに行った後に、カイタッチ・プロジェクトの存在をわかってくださった方に、継続的にコミュニケーション取りに行きやすいようにするために、お題を用意しているっていう形になっています。
できれば、コメントでずっと続けていくよりは、お題をどんどん改めて、コミュニケーションを継続していきたいなっていう意味を込めて、ちょっとお題を増やしているという形になっていますね。
けっきょく、すぐにコメントをしてくださる方もいらっしゃるんですけど、何日か置いてコメントしてくださる方もいるので、そのコメントまで、ちょっとチェックしきれなくなってしまうので、コメントがついたら自動的にチェックできるみたいな機能があるといいんですけど、そういうサービスがないので……。
- 河野:
- 今、それ作ろうとしているんですよ。
- 遠藤:
- ブログで書いていらしたのは、拝見しました(笑)
- 河野:
- できたら、ぜひ、テストで使ってください(笑)
- 遠藤:
- はい、ぜひ。
- 郷司:
- あ、ぜひぜひ! いつ頃、できますかね?(笑)
- 河野:
- いやいや(笑)
ぼくも早くほしいので急いでくれと言っときます(笑) - 郷司&遠藤:
- あははは(笑)
- 河野:
- まだまだ世の中には1週間に1回しかネットにアクセスしない人がいらっしゃるんで、その人は1週間後までコメントが付いてることすら知らないわけですよね。メールも読まない人はそうですよね。
- 遠藤:
- そうですね。
- 河野:
- こっちが翌日、翌々日に見に行っても、何にもなくても、2週間後に行ったら、「あ、コメント付いてた!」みたいなことがあったりするんで、そこはね、やっぱり自動で教えてほしいですよね。
- 遠藤:
- そうですね、我々もけっこう、古い記事にコメントしに行ったりするんで、そうするとすぐには公開されないんですよね。先方に承認していただいて、初めてそのコメントが公開されるみたいな感じになると、ずーっと承認待ちになってるものっていうのがけっこう、あったりするので。
- 郷司:
- あるよね。
- 遠藤:
- たくさんありますね、毎日チェックするしかないんですけど、忙しいですね(笑)
- 河野:
- あははは(笑)
(取材日:2009/2/23、取材場所:貝印株式会社、本社会議室)
当日はあえてツッコまなかったんだけど、個人的にはやっぱり「コメントのコメントのコメント」はやるべきだと思うし、やってほしい。たしかに郷司さんがおっしゃってるように、これは取り組みとしては別次元のものなんだけど、せっかくブログのオーナーがコメントに感動してくれたんだから、その熱が冷めないうちに次のコメントを残すことで、その感動は貝印への愛情に昇華できる気がする。
もちろん手間がかかるので、そこはある程度システム的に自動検知するようにしないと無理だと思うのですが、なんとか実現してほしいと思います。
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